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【行事報告】第46回卒業証書授与式が行われました

学校生活

 3月3日(土)に明法高等学校の第46回卒業証書授与式が行われました。当日は、東村山市長にもご臨席をいただきました。46期生の卒業生たちの態度も素晴らしいものでした。

 卒業式後、体育館にて謝恩会が行われました。そこでは、担任団1人1人から、卒業生に対するあたたかい励ましのメッセージが述べられたり、各クラスの担任と生徒たちの記念写真が撮られたり、和やかな雰囲気で会が行われました。謝恩会の企画運営をしていただいた父母の会の皆様には心より感謝いたします。

 最後に、卒業式での校長の式辞の要旨(一部省略)を紹介させていただきます。

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 3年生の諸君、卒業おめでとう。心からお祝いを申し上げます。

 はじめに、卒業生諸君の中学・高校生活を簡単に振り返ってみたいと思います。

 諸君は、新校舎の第2期生として入学しました。入学後のオリエンテーション合宿も第2期生で、河口湖で行われました。春まだ浅き富士山の麓での校歌練習、集団訓練が懐かしいです。中1の冬にはグランドの改修工事があり、現在の緑の土のグランドになりました。中2のフィールドワークは、南魚沼・越後湯沢町実施の第1期生。川登り、三国山登山を楽しみ、蛍の乱舞に感動しました。中3の京都奈良研究旅行の座禅体験は比叡山延暦寺でした。高2修学旅行では、伊江島における民家への宿泊をした第1期生、沖縄の文化・自然とともに人の情をも体験することが出来ました。

 そして、体育祭、明法祭などの行事では、男子校らしいエネルギーの爆発に加え、繊細な優しい心配りもありました。地味でも生徒会を支えた委員会活動、心と体を鍛えた輝く青春の部活動、諸君の活動は明法に活気を与え、伝統を受け継ぎ発展させてくれました。
 
 また、さわやかな挨拶を率先してくれたこと、本当にありがとう。
 
 46期生を一言で表すと「明るく、学校大好き人間の集まり」です。

本日の卒業式では、昨年3月11日に起きた東日本大震災について触れたいと思います。震災後1年が経とうとしています。当日、明法は学年末試験の最終日、中学生は数検、高校生は試験後の部活中でした。震源から離れた本校でも激しい揺れはプールの水をあふれさせたほど。電車が止まり約70名が学校に泊まりました。東北では地震と大津波が地域を破壊し多くの命を奪いました。そして原発の事故を誘発、放射能の拡散は深刻で、コントロールできないものの恐怖を実感しました。復興には長い時間が掛かります。諸君はその担い手として震災を風化させないで支援してください。震災を通じて、生徒諸君の冷静さと思いやり、優しさを知ったことは、新鮮な感動でした。

 さて、卒業生の諸君は、明日から新しい生活をスタートします。この新しい生活への門出に際し、餞の言葉を贈りたいと思います。

 ノーベル化学賞を受賞した野依良治先生の書籍「事実は真実の敵なり」からです。書籍名は、ドンキホーテの中にある文からとったとのことです。「事実は真実の敵なり」とは、「われわれは毎日おびただしい断片的『事実』にさらされて、現実社会への埋没を迫られる。あるいは虚構の世界に逃避していく。これらの事実は、たとえ限定条件下においては正しくとも、背後にある普遍的な『真実』からはほど遠い。自らの人生を全うするためには、社会そして人類全体についての正当な大局観を培わねばならない」と述べられています。

グローバル化がますます進み、環境、核兵器、政治・経済問題など、様々な問題の中で諸君は生きていくことになります。新しい時代には新しい手法が必要です。失敗や挫折があると思いますが、「転んでもただでは起きない」不屈の精神で、未来を切り拓き、社会に役立つ人間になってください。そして悩んだり疲れたりしたら明法の友達、先生に相談してください。明法を「心のふる里」として、いつまでも拠り所としてください 。

 最後になりましたが、ご臨席いただきました保護者の皆様にお祝いとお礼を申し上げます。中学高校時代は成長の激しい思春期ですので、生徒の指導にいわゆる「手を焼いた」こともあったでしょう。生徒は、自らの人生を切り拓こうとしていたのです。本日、卒業という区切りを経て、生徒は親を超える旅に出発しました。この旅立ちに心からお祝いを申し上げます。また、本校の発展のために常に暖かいご支援とご協力を賜りましたことに厚くお礼申し上げます。

 おわりに、卒業生諸君の健康と限りない発展をお祈り申し上げ、ご臨席いただきました来賓の皆様、保護者の皆様にお礼を申し上げ、式辞といたします。

平成24年3月3日
                        明法高等学校
                               校長 大谷泰造