明法ニュース 校長ブログ

【明法散歩道】2017年6月号

校長ブログ

中学1年生による、明法"廊下文化"

生徒作品①.JPG 明法散歩道3月号で取り上げた"廊下文化"。そのときは、中学3年生の作品"ぼくの細道"だった。京都・奈良の研究旅行を題材とし、写真と随筆風の文章があり、最後に俳句で締めくくられていた。

 今回は、中学1年生による造形活動(俳句とモダンテクニック)。中1生のオリエンテーション合宿での取り組みで、国語と美術のコラボレーションをテーマに実施された。

生徒作品②.JPG 俳句では、秋葉先生(国語)の指導の下、季語の解説を受け、落ち葉を拾いに自然散策をしながら俳句を考える。

 それをもとに、稲沢先生(美術)の指導の下、拾った落ち葉をもとにフロッタージュ(※注)というモダンテクニックを使用。さらに色紙には枯葉を用いたマーブリング、本物の葉っぱも一緒に並び、中央にはメインの俳句が揃う。

 葉の色合いも形も一つひとつ個性があり、中央の俳句を支えている。そのバランスと描かれる世界が、何とも言えずすばらしい。個々の葉の淡い色使いをじっと見ていると、生徒一人ひとりの純粋さ、優しさが心に沁み込んできた。

※注:フロッタージュ(frottage)

 シュルレアリスムで用いられる技法の1つ。フランス語の「frotter(こする)」に由来。木の板、意思、硬貨など、表面がでこぼこしたものの上に紙を置き、例えば、鉛筆でこすると、その表面のでこぼこが模様となって、紙に写し取られる。

 このような技法、及びこれにより製作された作品をフロッタージュと呼ぶとのこと。制作者のコントロールが効かず、また見る者により何に見えるかが、異なるという可能性があるという(美術の稲沢先生に教えてもらいました)。

"息を吹きこみ 思い出一つ"

校長作品.JPG オリエンテーション合宿は、入学式後1週間以内に行われる、2泊3日の中1集団宿泊訓練である。目的は、 ①中学生としての生活・学習の基本を学び、②宿泊行事を通じて親睦を深め、明法生としての自覚を持つ、こと。初日、緊張していた生徒たちも、合宿を終える頃には、すっかり仲良くなっていた。初日の緊張と意気ごみが、"思い出"となって膨らんでいく(シャボン玉?)。生徒たちは、残雪の中、踏みしめた足の先に、何を捜し求めたのだろうか。

 ふと、中1の廊下を辿ると、端っこに、下條校長の作品があった。若かりし頃、どのようなドラマがあったのか知る由もない。しかし今、明法の生徒たちとともに、残雪を踏みしめ、かけがえのない歩みを始めたことだけは確かである。

(文責:教頭 早乙女 勤)