明法ニュース 教科指導

サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト(SPP)による高大連携講座を実施しました

教科指導

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 7月16日(火)・19日(金)に,科学技術振興機構(JST)によるサイエンス・パートナーシップ・プロジェクト(SPP)の支援のもと,東邦大学理学部との高大連携講座を実施しました。

 地球上の生物は,遺伝物質としてDNAをもっています。DNAの遺伝情報は,A・T・G・Cの4種類の塩基という物質が積み重なって並ぶことで保存されています。ヒトの場合,約30億の塩基がつらなっています。新聞の文字数でいうと,およそ50年分。それだけの膨大な情報がひとつひとつの細胞に入っているのです。

 ヒトでは,遺伝情報は個人間で0.1%程度の差異しかありません。では,各人の差はどこからくるのでしょうか? じつは,0.1%といっても,30億の塩基の並びのうちでは300万箇所もの違いがあるのです。このDNA中の300万箇所の違いが,肌の色や血液型の違い,耳垢が湿っていたり乾燥していたりの違いを生むのです。このようなDNA上の一塩基だけの違いを一塩基多型(SNP)といい,これがおおよそ各人の個性を決定しています。

 今回は,そんなSNPのうち,お酒の感受性に関する遺伝子(ゲノム上),母系の先祖が縄文系か弥生系かが分かる遺伝子(ミトコンドリアDNA上)について,各自の遺伝的個性を探りました。

 生徒達は大学の先生や大学生の指示のもと,自身の口腔上皮細胞のDNAを取り出し,PCR により調べたい遺伝子領域を増幅させ,増幅させたDNA断片の制限酵素の感受性の違いを利用して,その電気泳動パターンから遺伝子解析をおこないました。

 今回の実験で,遺伝子解析により自らのルーツを探ることは,生物としてのヒトの本質を理解するにとどまらず,地球レベルで繰り広げられてきた人類の進化に目を向け,生命の連続性を実感させるこのうえない有益な機会であったと感じます。
また,ひとりひとりの多様な遺伝的個性を実感することで,改めて自分自身を見直し,生命の不思議さに向き合う良い機会になったと確信しております。

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 明法の理科教育はこちらで紹介しています。ぜひご覧ください。

 過去のSPPの記事は下のURLからご覧いただけます。

https://www.meiho.ed.jp/blog/course/post-381/

https://www.meiho.ed.jp/blog/course/spp2/

https://www.meiho.ed.jp/blog/course/post-266/