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第47回卒業証書授与式が行われました

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卒業式.JPG 3月2日(土)、明法高等学校第47期生の卒業証書授与式が行われました。よく晴れた天気の中、47期生144名が明法を巣立っていきました。卒業証書授与式での学校長の式辞をご紹介します(一部省略しています)。

 

 式辞
 
 卒業生の諸君、本当におめでとう。心からお祝いを申し上げます。
 諸君との出会いは、中学1年のオリエンテーション合宿、長野県車山でした。合宿でのクラス目標の発表は、体を揺らすほどの強い風のスキー場で行われました。クラスの皆で助け合って大きな声で発表する姿から、中学生としての自覚と熱気が伝わりました。なかでも印象的だったのは、星の観察中に北斗七星を見て「本当にあるんだ!」という呟きを聞いたことです。驚きを素直に言葉にする純粋な姿に感動しました。そのとき、私は、明法の本物の教育を通じて様々な驚きを体験する中で、大きく逞しく育っていくであろうことを確信しました。今、諸君は私の確信どおりの青年になりました。
  中2では、南魚沼・越後湯沢でのフィールドワーク、雨の中での川上りと蛍見物、三国山登山、草鞋作りなど体験学習をしました。中3では、京都奈良での研究旅行、飛鳥廻りは雨で計画を変更しましたが、日本の伝統文化に触れました。高2の沖縄修学旅行は、平和学習と南国の自然や文化の研究がテーマ。台風が接近していましたが、無事伊江島に民泊しました。例年の行事である体育祭、明法祭、スポーツ大会では、男同士の団結心と闘争心が高3まで続いた、エネルギーにあふれる学年でした。中1のときのマラソン大会、百人一首大会では、中学2、3年生を抑えてのクラス優勝という快挙もありました。百人一首大会を名人戦として発展させ高2まで続けたのもこの学年です。諸君の行事を思い切り楽しむ姿は、エネルギーに満ちており、後輩への最高のプレゼントとなりました。また、率先してさわやかな挨拶をしてくれました。学級通信を5年間で約300号発行した担任の先生は、配布したときシーンとして読む諸君の姿に次へのエネルギーを貰ったようです。生徒と先生が学校生活を楽しむ素敵な絆の学年でもありました。
 
 さて、この講堂は、改修工事が完成、コンサートホールとして生まれ変わりました。耐震壁の設置、天井の張り替え、トイレの近代化などが行われましたが、諸君は、改修された講堂における卒業第1期生です。校舎、理科棟、体育館の改修は間に合いませんでしたが、卒業後には心の故郷である明法に気楽に帰ってきてご覧ください。
 
  一昨年3月11日に起きた東日本大震災では、電車が止まり約70名が学校に泊まりました。地震と大津波が多くの命を奪い、そして原発の事故、放射能の拡散。それから2年になろうとするこのとき、もう一度大震災のことを考えてください。除染、原発の廃炉、地域の復興の困難など、問題は続いています。復興には長い時間が掛かりますが、諸君はその担い手として震災を風化させないで支援してください。震災を通じて、生徒諸君の冷静さと思いやり、優しさを知ったことは、新鮮な感動でした。

  今、世界のグローバル化は一層進み、世界の政治や経済はまさに一つとなりました。そこには、ヨーロッパにおける経済危機の不安、アルジェリアでのテロ事件など多くの問題があります。諸君はそのような世界に生きていくことになりますが、明法で培った逞しく生きる力、人の絆をもって、日本、世界の発展に寄与して欲しいと思います。
 
 昨年は、iPS細胞の開発で山中伸弥さんがノーベル賞を受賞しました。日本人として誇らしく、これからも多くの日本人がノーベル賞を受賞して欲しいと思います。諸君もそのような研究に関与することがあると思います。頑張って欲しい。

 さて、卒業生の諸君は、明日から新しい生活をスタートします。この新しい生活への門出に際し、餞の言葉を贈りたいと思います。
  現代は、いろいろな意味で生きにくい時代、生き抜く逞しさをどこまでも失わないでいるために、フランクルの著書「それでも人生にイエスと言う」からです。「私たちが人生に『生きる意味があるか』と問うことは、はじめから誤っている。人生こそが問いを出し、私たちに問いを提起している。私たちは問われている存在だ。私たちは『人生の問い』に答えなければならない。」逞しく生き抜こう。

 最後になりましたが、保護者の皆様にお祝いとお礼を申し上げます。中学・高校の時代は成長の激しい思春期、様々なご苦労もあったことでしょう。しかし、本日、卒業という区切りを経て、生徒は親を超える旅に出発しました。この旅立ちに心からお祝いを申し上げます。また、本校の発展のために常に暖かいご支援とご協力を賜りましたことに厚くお礼申し上げます。

 おわりに、卒業生諸君の健康と限りない発展をお祈り申し上げ、ご臨席いただきました来賓の皆様、保護者の皆様にお礼を申し上げ、式辞といたします。

平成25年3月2日    明法高等学校  校長 大谷泰造