明法ニュース 教科指導

社会科リテラシー学習の実践①-沖縄基地問題

教科指導

 明法の社会科では、中3~高2の生徒を対象に、毎週土曜日の朝学習の時間(8:30~8:40)に、新聞記事を活用したリテラシー学習を実施しています。新聞記事などを生徒に読んでもらい、「賛成」「反対」など自分の立場を表明したうえで、その立場に立った根拠を文章で書かせるという取り組みです。生徒から集まった意見は、担当の教員がまとめて、コメントをつけて生徒たちにフィードバックします。

 これを続けることで、生徒には、社会に対する関心を持ってもらうと同時に、自分の意見をしっかり説明できるようになってもらうことを期待しています。

 6月9日(土)の課題となった新聞記事をご覧ください。

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復帰40年:「本土で基地 どうですか」


 基地のない沖縄を願う平和行進を締めくくった13日の県民大会。あいさつに立った第2次普天間爆音差し止め訴訟の原告団長、島田善次さんは、本土で基地を引き受けられないのかと問い掛けた。沖縄の基地負担が変わらない現状が、日本の沖縄に対する「差別」だという考えが広がる中、本土からの参加者はこの問いをどう受け止めたのか。(福井悠介)


 東京、埼玉、長野...。会場の半分ほどを県外労組の参加者が埋める。島田さんは「安保条約も抑止力も必要だというなら、あなたのところで基地を引き受けてくれないかと言ったら『それはごめんだ』と言う。このような状況で沖縄から基地を撤去できますか」「悪いところは全部沖縄に押し付ける。醜い日本人の姿だ」と畳み掛けた。
 東京都から参加した公務員の遠藤光さん(29)は2年前にも普天間飛行場を取り囲んだ。「どう考えても危険な基地。単純にそう思う」。それからは中学や高校の友達との飲み会でも、乗り気でない友人たちに基地問題の話をしてきた。しかし「日本国内で移しても、問題は結局一緒かな。基地をなくすしかないんじゃないか」と本土で受け入れることには積極的でない。
 一緒に参加した野口淳さん(28)が「メガフロートを沖に浮かせて、ある程度の安全を確保しながら、本土の海に移すことも考えられるかも」と助け舟を出す。
 野口さんは今回初めて行進に参加。「車の運転手が渋滞の原因になってる行進を嫌そうに見ていた。『本土から来て何もできないのに旗持って歩いて』って思われてるのか」と吐露。平和行進が必ずしも県民に歓迎されていないのかと不安になった。
 ステージでは島田さんが「沖縄に来ることも大事だが、地元で、沖縄という地をどうするのか。自分たちだけ腹を上にして寝て、沖縄の痛みは分かるのか問い掛けて」と呼び掛ける。
 野口さんは「行進で感じたことを周りの人たちに伝えていきたい。少しずつでも、いつか、東京都の隅々に伝わっていけばいい」と答えた。
(沖縄タイムス 2012年5月14日 10時15分 )

明法生に問います
沖縄の基地負担軽減のために国内移転を進めると仮定したとき、自分の住んでいる自治体でそれを受け入れる覚悟はありますか?

(立場1)受け入れる覚悟はある。
(立場2)受け入れる覚悟はない。
(立場3)どちらとも言いづらい。

その立場を選んだ理由を書いてください。

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 生徒たちは、自分の立場を表明し、しっかりと意見を書いてきます。今回の課題については、やはり半数近い生徒が「受け入れる覚悟はない」という立場で意見を述べてきましたが、学年が上がるにつれて、沖縄の基地問題の現実を踏まえつつの意見が多くなります。

 昨日、高校2年生は沖縄修学旅行に出発しました。きっとこの学習を通じて、沖縄の基地問題の現実についても現地で学習してきてくれると信じています。

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