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卒業式校長式辞

学校生活

 3月1日(土)に行われた第48回卒業証書授与式での校長式辞をご紹介します(一部省略しています)。


 2度に渡る春の大雪、東京の積雪は27㎝、45年ぶりの大雪でした。明法のキャンパスでも、日陰には雪が残っていますが、紅梅に続き白梅が咲き、ほのかな香りを漂わせ、椿や辛夷の蕾は今咲くほどに膨らみ、生気みなぎる春の訪れを告げています。
 
 卒業生の諸君、卒業おめでとう。心からお祝いを申し上げます。

 
 卒業に当たり、諸君の過ごした明法生活を振り返りたいと思います。

 期待と不安の中での中1オリエンテーション合宿は、長野県の車山。緊張のため食事が喉を通らなかった生徒は、今は立派な逞しい青年となりました。中2でのフィールドワークは新潟県越後湯沢。裸の生徒が火の神を演じてキャンプフィアーを盛り上げてくれました。中3では、京都奈良の研究旅行。生徒の委員が主体性を存分に発揮、内容豊富なしおりの作成から実施まで、中学生活の集大成となる見事な自治活動がありました。
 高1では、公立中学から新入生を迎えました。新入生は、明るく運動大好き。出身は異なっても、体育祭で見せた団結と協力は立派でした。自然な流れの中で明法を発展させる原動力の一つとなりましたが、高入生の努力とそれを支えた中入生に拍手を送ります。

 高2の修学旅行では台風に遭遇。その影響で、那覇空港への着陸は2回目に成功。また、次の台風の影響で、離島伊江島での1泊ステイは日帰りステイに変更。波乱の旅行でしたが、慰霊の日には委員の呼びかけで黙祷をするなど、鎮魂と平和を自分のものとして考える旅行となりました。
 高3では体育祭がすばらしかったと思います。体力が回復していない生徒には、距離を短くしても明法リレーに参加させた優しさ、定年後の担任は異例でしたが、その先生を囲んで学年全体が心を一つにしたこと、「学校っていいものだな」という感動と喜びを、男の力と力がぶつかる体育祭で味わいました。

  さて、部活動では、汗と涙の多くのドラマが展開されたことでしょう。球場では涙を流してもさわやかな選手たち。素敵な場面と時間をともに過ごしたことに感謝したいと思います。体力を養い技術を伸ばし忍耐力を磨きながら、様々なトラブルや問題を乗り越えて来たからこそ、生涯の友人ができたのです。友人は一生の宝、大切にしてください。

  水泳部を主なメンバーとする海坊主は、NHKプレミアムの番組「千人の力」へ出演、。それが昨年の8月の日本テレビの番組「愛は地球を救う」に繋がりました。全国に、海坊主の優しさの基盤となっている明法生の優しさが認められたことは、大きな喜びでした。
  そして、諸君が進めた「さわやかな挨拶の連鎖」は、明法の新しい伝統として続いていくと確信しています。

  明法は今年で創立50周年を迎えます。耐震工事、トイレの近代化などを行ったこの講堂、校舎の中心に移動した図書館などなど、「学びの聖地」として、明法は再出発しました。工事の騒音と不便に耐えてくれた諸君にお礼を申し上げます。
 そして改めて、建学の精神「この世に生を受けたことに感謝し、知性を磨き、良い習慣を身につけ、社会のため、国家のため、人類のために役立ち、世界平和に貢献する」を確かめ、自分のものとして、これからの50年を生きる道しるべとして欲しいと思います。

 3年前の東日本大震災では、地震の揺れよりも津波と原発事故が大きな被害をもたらしました。復興と事故処理はまだまだ途上、心を寄せて応援し続けてください。
 これからの日本は、人口減と高齢化、グロ-バル化の中で、生きていくことになります。厳しい時代ではありますが、新しい発想が生かせる時代でもあります。勇気を持って挑戦して、未来を拓いてください。そして、悩んだり疲れたりしたら明法の友だち、先生に相談してください。明法は第2の故郷、諸君を待っています。

 卒業に当たり、諸君に餞の言葉を贈ります。 
 ヴィクトール・フランクルの言葉です。「どんな時も、人生には意味がある。どんな人のどんな人生であれ、意味がなくなることは決してない。だから私たちは、人生の闘いだけは決して放棄してはいけない」

  最期になりましたが、保護者の皆様にお祝いとお礼を申し上げます。
中学生高校生の時代は、成長の著しい怒濤の思春期、様々なご苦労があったことでしょう。しかし、今ここに高校を卒業して社会に飛び立つ逞しいご子息がいます。卒業を心からお祝い申し上げます。そして、本校の発展のために常に暖かいご支援とご協力を賜りましたことに厚く厚くお礼を申し上げ、式辞といたします。

平成26年3月1日  明法高等学校 校長 大谷泰造