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【GSP】「相手を幸せにする」おもてなし英語

教科指導

授業の様子①.jpg授業の様子②.jpg講師の横手尚子先生.jpgフライト中に機内で携帯電話を使っている外国人がいます。あなたは客室乗務員です。英語で使用行為をやめさせたい時、以下どちらの表現を選びますか?

パターンA:You can't use your mobile phone here.

パターンB:I'm sorry, but you can't use your mobile phone here.

もちろん、パターンBと答える人が多いでしょう。では、なぜBの方がAよりも良いのでしょうか。それは、「相手の立場に自分の身をおく=おもてなしの心(思いやり)」を持って接しているからです。

「おもてなしの心は相手を幸せにし、それによって自分も幸せになれる」と雅な口調で語られるのは、横手尚子(よこてしょうこ)先生。3/2(金)「21世紀(高2文系選択科目)」の授業で、外部講師をお招きして特別授業が行われました。横手先生は日本航空・JALways国際線CAを経て、現在は駿台トラベル&ホテル専門学校、駿台外語&ビジネス専門学校等で教鞭をとられています。今回は、「心に伝わるおもてなし英語と世界に通じるマナーとコミュニケーション」と題して、ご自身の著書*に基づいたワークショップを行って頂きました。

先月、ハワイ提携校の高校生に原宿(明治神宮・竹下通り)をツアーガイドした際の振り返り活動では、「おもてなし英語」の観点から見ると、新たな学びがありました。「英語で上手に説明できない場面が多々あった」とガイド中に苦労した点を挙げる生徒に対し、横手先生はシンプルかつ効果的な「魔法のフレーズ(2つ)」を提示。

Let me ~.

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講師著書(岩波ジュニア新書).jpgいずれにも通底するのは、「相手が満足して笑顔になれるように」といった心のこもった気持ち。思いやりの気持ちを土台にしたこのようなコミュニケーションは、中学段階の英語で十分に行えると同時に、仮に論理的かつ高度であろうとも独りよがりの説明より、よほど効果が高いと痛感しました。

2020年の大学入試改革(英語4技能)や東京オリンピックに向けて、今、高校英語教育現場は大きく変わろうとしています。そんな中、今回ご教授頂いた「世界に通じるマナーとコミュニケーション(心に伝わるおもてなし英語)」は、4技能習得を目的とする英語教育を超えて、豊かな人格を陶冶する「人間教育」そのものだと確信しました。

*世界に通じるマナーとコミュニケーション ― つながる心, 英語は翼 (岩波ジュニア新書)