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【美術同好会】「国立新美術館」に行ってきました

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===美術館鑑賞活動報告===

7月19日(月)に六本木にある「国立新美術館」に行ってきました。
参加したのは美術同好会メンバーの6人。「オルセー美術館展2010 ポスト印象」と「マン・レイ展 ~知られざる創作の秘密~」を鑑賞しました。

 「国立新美術館」は故・黒川紀章の設計であり、外観は前面を覆うガラスカーテンウォールが、波のようにうねる美しい曲線を描いています。このガラスカーテンウォール越しに、青山公園など周辺の緑地にとけこむように植栽された庭園の眺めを楽しむことができます。
 当日は午前10時に到着したものの会場入り口前には長蛇の列が...。1時間待ちの状態でしたが、生徒たちは文句も言わず並んで入場を待ちました。さて、いよいよ入場したものの、中も混雑しており、なかなかゆっくりと作品は見られない状況ですが、鑑賞者の間から教科書にも載っているような有名な作品が垣間見え、思わず人混みをかき分けて作品に近づいてしまいます。

今回の展覧会のテーマは「ポスト印象派」。いわゆる「後期印象派」ですが、印象派の後半期を示すという誤解を避けるため、近年では「ポスト印象派」という呼称が定着しつつあるとのことです。会場全体は次の10の章で構成されています。第1章「1886年 最後の印象派」、第2章「スーラと新印象主義」、第3章「セザンヌとセザンヌ主義」、第4章「トゥールーズ=ロートレック」、第5章「ゴッホとゴーギャン」、第6章「ボン=タヴェン派」、第7章「ナビ派」、第8章「内面への眼差し」、第9章「アンリ・ルソー」、第10章「装飾の勝利」。 展示されている作品のなかでは、とにかくゴッホがいちばん人気。「自画像」をはさんで「アルルのゴッホの寝室」、「星降る夜」の3点の前は黒山の人だかり。他のところも混んではいても流れていくのに、ここだけはなかなか動きません。反対側に展示してあるゴーギャンだって「黄色いキリストのある自画像」や「タヒチの女たち」など知られた名作なのにですが、ゴッホとゴーギャンの対決はここではゴッホの圧勝でした。日本初公開の作品も数多く、滅多に見られない名作に出会えただけでも生徒たちには新鮮だったようです。

次に鑑賞したのは、幅広い芸術活動でその名を世界中に知られるマン・レイ(1890-1976)の企画展です。マン・レイの遺族が設立、全作品の著作権を所有するマン・レイ財団所蔵の写真、絵画、彫刻、デッサンおよびマン・レイ自身の所持品を一堂に集めて、2007年から欧州を巡回している展覧会が、この度初めて日本で紹介されることになりました。 「写真家」としてのイメージが強いマン・レイですが、今回は写真はもとより絵画、オブジェなど多岐に渡る分野で活躍した「アーティスト」、そして新しい技法やスタイルを編み出した「モダンアートの先駆者」としてのマン・レイに光を当て、その知られざる足跡を発見する旅へと誘うことがこの展覧会のテーマでした。こちらは比較的ゆっくりと鑑賞ができ、現代アートの先駆者の作品ということで、自分なりに作品を解釈する必要があり、気になる作品の前で立ち止まる生徒の姿が見受けられました。感想を聞くと、まだうまく言葉にできない様子でしたが、今まで馴染みのなかったアート作品に触れたことが新しい価値観の形成につながる良い契機になったのではないでしょうか。美術同好会では今回初めて美術館での鑑賞会を行いました。今後も定期的に多種多様な展覧会に足を運び、普段の個人制作だけでなく、美術の多様性に触れる機会をつくっていこうと考えています。

次回は10月中旬に活動を予定していますので、その際は生徒の感想も紹介したいと思っています。  




国立新美術館外観
※作品の画像は著作権フリーのものです。
「星降る夜」1888年フィンセント・ファン・ゴッホ 「台所のテーブル(籠のある静物)」1888-1890年頃 ポール・セザンヌ
  
「アングルのヴァイオリン」 マン・レイ