明法ニュース 校長・教頭

ピンチはチャンス① ~ KIZUNA(絆)の時代を築く ~

校長・教頭

ピンチはチャンス① ~ KIZUNA(絆)の時代を築く ~

 阪神淡路大震災や東日本大震災直後、海外のメディアは大混乱の中でも略奪や暴動に走らず冷静さを保つ日本人を取り上げ、日本の「ソフトパワー」は世界から称賛を浴びました。世界に誇る日本人の精神性の高さは、「絆」や「共助」といった言葉にも象徴されます。2011年の震災以降、本校でも被災地や地域のボランティア活動に参加した生徒や教職員の声をよく耳にするようになりました。

 コロナ禍で緊急事態宣言が発せられ、休校期間の続く現在。学校から生徒たちの笑い声が消えて2ヶ月以上が経った今でも、はっきりとした学校再開の目処は立っていません。授業や昼休み、放課後の部活動など、当たり前の光景がなくなった学校にいると、寂寞の想いにかられることがあります。社会も、戦後初めて経済的自由を奪われるといった難局に直面しています。先日、ILO(国際労働機関)は世界の労働者の半数にあたる約16億人が生計を失う危機に瀕していると発表しました。今、世界全体が未知の不安に苛まれています。

 翻って、変わり果てた明法の日常にも「絆」の光が差し込んできています。生徒の学びの継続に向けて教材作成や動画配信準備を行い、勤務形態に制約のある中でなんとか力を合わせて各家庭に毎週課題を発送する教職員の姿があります。学習の遅れに加え、全中大会や高校総体中止の発表、各種学校行事の計画変更など様々な不安を抱える生徒たちや保護者の方々と家庭連絡で話し合い、Classi上でコミュニケーションを図る担任の先生や部活動の先生方がいます。

 「和を以って貴しとなす」ー日本最初の憲法である第十七条憲法の第一条に掲げられたこの言葉(精神)は、現代のグローバル市民として生きる我々日本人の心にしっかりと生き続けています。奇しくも、グローバル化によって瞬く間に世界に広まった新型コロナウイルスとその影響により一変する世界と私たちの日常。これから迎える「新たな日常」を “KIZUNA(絆)” で乗り越え、明法で学ぶ生徒たちがこれからの「新時代」を築く原動力になってくれることを願っています。

                                        教頭 鎌倉